結婚や夫の転勤を機に、今まで勤めていた会社を辞め、新しい環境で働く事になる方って結構居ると思います。
僕の奥さんもそうです。僕の転勤に付いてきてくれた事をきっかけに、新しい勤め先で働く事となりました。
幾つか転職を繰り返した中で、なんとも奇妙な縁があり、そこから人間関係の変化が生まれた経験をお伝えしたいと思います。
内容としては、「仲の悪かった嫁・姑の関係が奇妙な縁によって改善した話」となります。
この経験は、僕にとって「人間関係とは言葉でなく互いの行動によって改善される」という事を学ぶきっかけとなりました。また、あまりに妙な縁を感じる経験だったので、全ての人に役立つ事ではありません。今回はショートストーリーを読む感じで見ていただければ幸いです。
もし読んでくれている方の中で人間関係にお悩みの方が居られましたら、「こんなこともあるんだ」程度ではありますが、参考にしていただければと思います。
Contents
【まさかの事態】妻と僕の母が偶然同僚になった件
僕の奥さんと僕の母親は、元々仲が悪かったです。親元からかなり離れた地で結婚を決め、その後母親が僕らの暮らしている場所まで凸撃。僕と妻で対応したのですが、その時から僕を含め、母親との関係は非常に荒れる事となりました。
僕の母親が奥さんに対して大きな敵意を持って接したことがきっかけです。その日以来、父にも経緯を話し、僕は「全面的に奥さんの味方をする」事を宣言。母親にはブチ切れ電話を1本掛け、その後は絶縁しても良いとさえ考えていて結婚後は連絡も断つ事になりました。
【ババ抜き】僕の異動に伴う奥さんの転職がきっかけに
入籍1年後、僕の転勤で両親が住んでいる都市へ異動する事となり、妻は新たな就職先を探す事となります。
「旦那の転勤に付き合って再就職先を探す」となると普通のOLなどは難しく、やや消去法的ではありますが「介護業界」に進む事を決めました。実は、僕の母親も介護業界で働いていたのですが、「少子高齢化社会」の現在、介護施設は非常に沢山ある為、お互い鉢合わせる事なんて皆無と考えていたのですが・・・。
まさかのババ抜き一発ツモでした。
母親の勤め先を把握していなかった僕。まさかこんな事があるなんて・・・と、非常にびっくりしました。
当の妻は、不安な気持ちはあるものの、いざとなったら辞めれば良いからと、取り敢えず働く事を決めました。
負けん気の強い妻が職場の信頼を獲得〜母親も文句言えない状況に
元々、完璧主義でコミュ力があり、気が強い妻は職場で割とすぐに頭角をあらわしたようです。高校生の頃まで祖父母と暮らし、毎日のように一緒に買い物へ行っていた経験もあり、高齢者の方との接し方を心得ていました。案外「介護業務」に必要な素質があったのかもしれませんね。当然、本人の努力が一番大きいのでしょうが。
数年働いて、職場での信頼を勝ち取る頃には僕の母親とも普通のやりとりができる関係を構築していました。今では母親に指示を出して働かせることもあるようです。凄い。
妻と母親の現状変化
職場で同等に話ができるようになると、ある程度打ち解けることができます。
今では妻は母へ「アンタの息子、また家事サボってるんだけど、どういう教育してんの!困ってるんだけど。」なんて愚痴を言ったりしているみたいです。怖い・・・。
あとは、稀に母親の暮らしている家に僕と遊びに行くという特殊イベントも発生しました。籍を入れて5年以上経って、ここまで対人関係を改善させた妻は本当に凄いと思っています。
今では妻も、「もうお義母さんの事許してやんな」とか、「今度一緒にご飯連れて行こうか」などと僕に言います。
僕がもっと母親とコミュニケーションを取るべきで、「いつまで根に持ってるんだ」と言わんばかりの漢気。
妻が自力で関係改善したのを見て感じたこと
今回、非常に簡潔に僕の母親と妻の関係が改善された事を紹介させて頂きましたが、この事から気づいた「関係改善」に必要と感じた事を記録しておきます。
第三者が仲立ちしても変わらない
これは本当に思いました。母親の息子である僕が間に入り、とり持つ事も一時期は考えたのですが、多分ですが交流の場を設けたとしてもお互いに「外向きの顔」しか見せず、相手の良い面を知る事や、冗談を言い合う事など、本当の意味での「打ち解ける」事は困難だったのではと感じています。
要するに、「人にさせられた事・やらされた事」は自分の意志では無い為に、互いの関係性を構築するに至らないのです。
「偶然と縁による仲立ち」と「行動の積み上げ」
今回のケースは本当に偶然の事でした。
殆ど絶縁状態だった僕は母親の勤め先を知らなかったし、転勤先にはいくつもの介護施設がありました。
そんな状況で、たまたま妻の就職先に僕の母親が在職しているというのは本当に驚くべき偶然でしたが、同時に強い「縁」を感じざるを得ないとも思いました。
妻も同様で、最初は目の前が真っ暗になったものの、「もしかしたらこれも何かの縁かもしれないし」と考えていたようです。
だからといって直ぐに関係改善のために何かをした訳ではなく、職場の信頼を得るために真面目に仕事に取り組んだだけなのですが、その過程こそが結果としてお互いに人柄や人間性を理解し合うための積み上げとなったのでした。
自分たちの力だけじゃどうにもならない事でしたが、この「偶然」と「縁」が間を取り持ってくれたからこそ、互いに能動的に話をしたり、コミュニケーションをとって少しずつ関係を構築できたのではないかと考えています。
言葉だけじゃなく行動で示したこと
もう1つ、関係改善に大きく影響したと思っていることがあります。それは「プレゼント」でした。
※モノで釣った訳じゃないですよ!
僕は両親等にプレゼントを送ったことが殆どありませんでしたが、「父の日」「母の日」「誕生日」などを控えた日には妻が必ず僕を買い物に連れ出し、プレゼントを選ぶように言います。
僕は言われるままに毎回プレゼントを選び、送っていたのですが、両親は僕がプレゼントを送る人間ではない事を誰よりもよく知っています。
なので「奥さんに言われたんだなw」って毎回思っていたようで、妻に感謝していました。
職場での行動以外に、「僕に息子として親孝行できる事をちゃんとさせる」という妻の行為もまた、歩み寄るための積み重ねであったのかなと考えています。僕個人的にも、感謝しかございません!
妻と母の関係改善まとめ
いかがでしたか?今回は何度も言うように、「偶然」と「縁」が仲立ちしてくれて、良い方向に向かっていったケースですので万人には役立たないかもしれません。しかし、後述した「行動で示したこと」は非常に重要であり、「関係改善」以外の問題解決に対しても通じるところがあるのではないかと思います。
言葉だけ・うわべだけの関係は壊れやすく、意味がありません。意味のない人間関係なんて虚しいですし、できればお互いにきちんと関係を構築でき、それが自分の望む関係性であれば、これ以上の事は無いですよね。
さいごに、「難しい人間関係や会話」に最も役立ったと思う著作をご紹介したいと思います。
ロジャー・フィッシャーをはじめとした「ハーバード ネゴシエーション・プロジェクト」の打ち出した「話す技術・聞く技術」です。具体的な内容は省きますが、会話における、小手先のテクニックなどではなく、いかに困難な会話であろうと前進させるための心得がまとめられています。これを読む前・読んだ後では会話中の心理も変わってきますよ。
会話とは本来、互いの心を伝えるためのコミュニケーションですが、言葉が足りなかったり、相手との理解の差異や相違によって会話が困難になっていく場合が沢山あります。そうした場面においても、会話の成功に向けてじっくりと対応すれば成功に結びつくと言う事をわかりやすくまとめてあり、貴重な心得がふんだんに散りばめられています。「これを読めばどんな相手とも分かり合える!」という事は無いですが、非常に役に立つ1冊でありオススメです。
今回のお話や書籍が、人間関係にお悩みの方にとって少しでもお役に立てば幸いです。